光子力研究所の弓教授は、兜博士の遺産であるジャパニウムの応用研究にその情熱を燃やしていた。しかし、稀少鉱石であるジャパニウムはその採掘・精錬にら、特殊な手段を必要とした。光子力、すなわち光に反応しエネルギーを発生させるジャパニウムは超合金Zの原料というだけではなく、深刻なエネルギー・環境問題を解決する唯一の希望でもあった。だが、ジャパニウム鉱石は原石の状態では青白い燐光とともに放射能と電磁波を放出し、ひとたび太陽光に触れようものならすさまじい反応を示した。そのために地下で人間以外の手でデリケートなジャパニウム鉱石を発掘、精錬する必要が出てきたのである。弓教授のサイバネティックス研究がこのときに役立ち、人間の動きを精密に模倣する巨大ロボットの製作がスタートした。ごく初期の採掘用ロボットは水素式内燃機関と地中用のデュアル超音波探査レドームを装備していた。出力とデリケートな作業の関係上、四肢は細く設計され、女性的なフォルムを持っていた。しかしこの機体は後に戦闘用として再設計され、「アフロダイA」となった機体でもある。Tとは訓練用のTrainer、もしくは試作のTryoutを差すと言われる。
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