鋼鉄の処女‘アイアン=メイデン’
--スジャータ=ウィドル--
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 深い深い絶望の底・・・。
生きていることが鋭い刃のように
自らをえぐる・・・。
“なぜ、生きている?”
一口息を吸うたびに後悔と嫌悪が襲う。
“なぜ、死ねない・・・?なぜ、死なない・・・?”
もう人間では無い自分・・・、
まだ人間の自分・・・、

『悪い夢でも見た?』
つとめて明るくエイミが声をかけてくる
「あ・・・、私、また・・・?」
『いや、ちょっと、泣いてたぐらい』
「ごめん・・・、またうなされてたんでしょ・・・」
『いいよ、いいよ、顔、洗っちゃおうか?』
「ええ・・・ドルは?」
『もう朝の稽古にいったよ』
「そう・・・」

優しい仲間・・・
生きる希望・・・
でもまだ、私は深い闇から
抜け出せては、いないのか・・・



いきなり重たい書き出しで始まってしまいましたが、このスジャータ=ウィドルというキャラクターはオリジナルです。
最近すっかり描いてませんが、昔は暇さえあればマンガを書いてました。その中でも一番コンテを書きためた作品に
「トラブルEXプローラー」というものがありました。舞台は遠い未来の地球。今のターンAガンダムみたいな、
ナウシカみたいな高度な文明が過去の遺物になっている時代のお話です。

主人公はこの世界を旅する3人の女性。
竜と人間の合成体の‘竜人’であるドル=ファニア、
機会仕掛けの四肢を持つ魔導士のスジャータ=ウィドル、
そして戒律破りの修道女、エイミ=ロックメイン。

その中で、スジャータ=ウィドルは気に入っているキャラクターです。

過去に父を恨む男の手によって四肢を奪われ、陵辱され、奴隷のように扱われ、
1人では生きて行けない身体にされて、すべての希望を失ないます。
彼女は魔力で動く新たな四肢を手に入れますが、すさんだ生活を送ります。
金で雇われどんな汚いことでも行なう外法魔導士『アイアン=メイデン』として。

そんな彼女はある戦場で、これまた荒れた生活を行なっていた傭兵、
ドル=ファニアと出会います。二人は戦いをくり返すうちにいつしか心を通わせ、
幼い頃にお伽話として聞いた『時の遺物』を探し始めるのです。
旅の途中で知り合った男大好きの破戒修道女エイミを加えて。



 デザイン画(^^;)です。ちょっと画像が荒くなりましたが許して下さい。

 見ての通り、実は義肢の四肢はすべて「浮いて」います。設定の時代は遠い未来ですが、発掘される「遺跡」には必ず秘石とか魔石とか呼ばれる結晶構造物が付属しています。それらの宝石に見えるものは電気の替わりに光を信号として用いる3次元光プロセッサーだったりします。秘石に仕込まれた光ファイバーの溶融l結晶体は美しい層を作りながら入力された光を誘導します。半導体は電気を通す、通さないで電気を信号化しますが、光プロセッサは光の有る、無しで光を信号化します。そうして秘石に組み込まれたプログラム(呪とか盟約とか呼ばれていますが)が作動するわけです。

 スジャータは失った四肢のかわりにこの「魔法」で動く義肢を得ました。しかしこれは身体に直接触れるものではありませんでした。四肢の切断面には神経プログラムの伝達デバイスが縫い付けられ、この「手足」へ正確な信号を送ります。それは「秘石」により解析され、正しい動作とフィードバックを可能にしています。そのため光が届く範囲なら放れても動作可能な反面、重いものは持てませんし、格闘になれば、身体を支える力場を失い、足から転げ落ちてしまうということもあります。しかし並の義肢では彼女の放つ強力な攻撃魔法の反動を支えきれなかったり、熱を伝導し過ぎてしまったりするので抗魔法金属で覆われたこの四肢を選んでいます。いつか、『時の遺物』を手に入れ、もとの身体を取り戻すまで・・・。

P.S.お気に入りのキャラではありますが、別に、その、ひどい目にあわされた女性が好きなわけでも、お気に入りをひどい目にあわせたいわけでもありません。インターネットでは四肢欠損趣味(英語ではアムピュティーとか言うようです。正確なスペル忘れた)というのもあるようですが、そーゆー趣味もありません。確かに、ウワサで聞く「ダルマ女」や西太后の記録なんかにインスパイアされてはいますけど。そういった過酷な運命にさえ立ち向かう真の強さを持ったキャラクターとして考えてみました。この「浮いた」手足は模型では表現しづらいです。目標は「支柱を使わずに自然に浮かせる」ことです。
 



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