「OZ」は100年前の戦乱から立ち直り、平和への道を歩み出していた。それまで4支配者に頼り切っていた人々は戦乱にくるしんだあげく平和のために支配者を捨てたのであった。かつての強大な聖王国はいくつにも分割され、新たな王により統治されていた。そんな平和がかりそめの物であることは誰もが知っていた。かつて「OZ」を戦乱に巻き込んだ
イースト ウィッチ
4支配者の一人“東の魔女”は滅んだわけではなく、いくつもの次元にわたって転生し、復活の機会をうかがっているはずだからである。そのため「OZ」の王らは「魔女狩人(
ウィッ
イースト ウィッチ
チ ハンター) 」や「魔女討伐隊( ウィッチ バスターズ) 」に強力な権限を与え“東の魔女”の生まれ変わりを討伐させていた。しかしそれは「恐怖」という名の支配でもあった。
その子:「…心を奪われたって…どういうこと?」
イースト ウィッチ
スケア:「“東の魔女”の封印は、感情にも肉体にも作用するんだ。あたいが身体を奪
われちまったようにね。このティンは人間と同じように“優しさ”や“愛”
を理解で
システム
きる“心”を持っていたんだ。」
システム
その子:「その心を封印された…?」
メモリ バックアップ
ティン
スケア:「ああ、だからほんのわずかな記憶と感情しか残っていない。いまやこいつは
ただの人形さ。」
ティン:「‥‥‥‥‥‥。」
ウィッチ ハンター ウイッチ
スケア:「さ、ぼけぼけしてられないよ。こうしている間にも「魔女狩人」や「魔女討
バスターズ
伐隊」が来るかも知れないんだから!」
その子:「おうちに帰して〜!!」
ドロシー
謎の狩人:「‥‥‥ひさびさの“異世界人”だシュポ。逃がさないシュポ。」
カラト
スケア:「この“還らずの森”から一番近い街までは急げば2〜3時間で着く。とりあ
えずはそこに行こう。」
その子:「…ごめんなさい、カラトって何?」
マンデ セルル
スケア:「時間の単位だよ。」
その子:「‥‥うう、マンデのセルルって?」
スケア:「う゛ー、そっか、基本会話は“疎通の魔法”の力で通じるけど、固有名詞は
なー‥‥。えーと、なんて言やいいんだ?」
ティン:「…警報!定域魔法力増大!半径5らんぐ以内ニ敵ノ存在スル可能性ガアリマ
ス!」
スケア:「なんだって?敵?」
その子:「‥‥うう、しくしく、ラングってなんなんですか〜?」
アーチャ セルル
スケア:「そんな場合じゃねーだろぉ!…距離の単位だよ!」
その子:「‥‥なんだかさっぱりわかんなーい‥‥」
謎の狩人:「ふはははははは!シュポ!!バレてしまってはしょーがないシュポ!!
ウィッチ ハンター
わーたしが「魔女狩人」の精鋭!スチーム男爵だシュポォ!!!」
スケア:「うっ…!あ、あんたかい…。」
ドロシー
スチーム男爵:「ひさしぶりだなぁ、スケア、シュポ!その“異世界人”をこっちにもらお
うかシュポ!!」
スケア:「シュポシュポうるせぇよ!…渡すもんかい!」
ケアドール
スチーム男爵:「…ふははははははは!シュポー!では、力づくだなシュポ!看護人形と案山
子のお前とが相手ではちょいもの足りんがなシュポ!」
スケア:「…ナメんなよ。てめー…。」
スチーム男爵:「ふはははは!シュポー!わたしの身体にお前の魔法が通じんことは知ってい
ドロシー イースト ウィッチ
るはずだったよなぁ、シュポ?もしその“異世界人”が“東の魔女”の生
まれ変わりだとしても!シュポ!お前の魔法ではわたしは倒せんわい!シュ
ポ!!」
スケア:「いつあたいが相手するって言ったい?」
スチーム男爵:「なに?シュポ?」
スケア:「…いい加減で出てきな!!この憶病者がぁ!!」
謎の獣人:「…だってー、スケア怒ってるし、そのシュポシュポゆう人怖そうだしー‥
‥。」
その子:「‥‥‥‥まだ仲間がいたの?」
ティン:「…獣人ノりおん。同ジク“封印持チ”ノ戦士。…以降でーた検索不能…めも
りヲ増設シテ下サイ…。」
スチーム男爵:「なんだぁ!?シュポ!獣人ごときがわたしの鋼鉄の身体に傷一つでも付け
られると思っとるのか!?シュポ!!」
スケア:「ドロシー!リオンのそばに行きな!!」
その子:「え?あ‥‥!そっか、封印だね。」
スチーム男爵:「‥‥‥“封印持ち”の獣戦士‥‥!!シュポ?…ま、まさか、“くつわ付き
のリオン”か?シュポー!!」
スケア:「その通り!100年前の戦いで1000人の人造兵士を素手で倒したという、あの、
リオンさ!!」
リオン:「…恥ずかしいよー、スケアー。」
スチーム男爵:「…し、しかし、所詮は“封印持ち”だシュポ!今はその力発揮出来ないは
ずだシュポ!」
スケア:「…バカ。だからドロシーを召喚したんじゃねーか。」
スチーム男爵:「‥‥‥‥‥‥‥!!!!!!!!!!!???????」
リオン:「やるのー…?おっかないなぁ…。」 |