第7話 
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毛皮に苦しむなら出すなっつーの
  オ ズ                    イーストウィッチ 
 「OZ」において全ての恐怖を司る“東の魔女”がいつ転生するかは誰も知らない。 
しかし各次元に転生した生まれ変わりが全て「OZ」に戻った時、何かが起こるという 
根拠の無い噂は人々の心を捕らえて放さなかった。しかるに“異世界人”がこの「OZ」 
にやってくると人々は畏怖するのである。それゆえ“異世界人”は狩られる存在になっ 
        イーストウィッチ 
ていた。たとえ“東の魔女”となんの関係が無くとも。今はその力を100年前の戦いで 
                    ウェストワイズマン ノースエレメンタルマスター サウスセントハイアー 
使い果たしたとされる旧支配者、すなわち「西の賢者」「北の精霊導士」「南の聖天王」 
もそういった行為に対しては沈黙を守っていた。まるでそれが正しいかのように。「O 
Z」の王は血眼になって“異世界人”を狩った。しかし旧支配者が支配力を無くしたと 
はいえ生きのびている世界において旧支配者が生み出した者もまた生きのびていた。 
それらは「OZ」に再び戦乱を巻き起こそうとするかのように現支配者に対して抵抗を続 
けていた。 

              イーストウィッチ 
空飛ぶ猿:「うきぃ!!“東の魔女”様を渡すなぁぁ!」 
 他の猿 :「うきぃ!うきぃ!!」 
 スケア :「バカがー!!コケてる間に囲まれただろ〜がっ!」※「OZ」:06参照 
 銀の靴 :「別にコケてくれとは頼んどらんシュポ」 
 スケア :「あんだってぇ〜〜〜?」 
 リオン :「そんな場合じゃないよ、スケア!」 
 スケア :「そーだった、…こうなりゃあたいの極大魔法で…ドロ、…その子はどうし 
      た?」 
 リオン :「え?たった今までここに‥‥」 
 その子 :「キャアアアアアアアア!寄らないでぇ〜!!」 
 スケア :「しまった!接近に気付かなかった?!ンナバカナ‥‥」 
 リオン :「その子ー!!」 
       イーストウィッチ 
空飛ぶ猿:「“東の魔女”様〜!!お戻り下さーい!!うきぃ!!」 
 その子 :「やぁああ!怖いよぉぉぉぉぉ!!」 
         イーストウィッチ 
空飛ぶ猿:「“東の魔女”様〜!!そ奴らと一緒にいてはいけません!殺されてしまい 
      ます〜!!」 
 その子 :「やぁああ!殺さないで‥‥え?」 
         イーストウィッチ 
空飛ぶ猿:「“東の魔女”様〜!」 
 その子 :「‥‥スケアは用が終わったら帰してくれるって‥‥言ってたよ‥」 
 銀の靴 :「だから逃げる途中で悩むなシュポ!助かるものも助からないシュポ!」 
       イーストウィッチ 
 その子 :「“東の魔女”を復活させて…倒すって‥‥‥倒すって‥‥?」 
              イーストウィッチ 
空飛ぶ猿:「うきぃ!“東の魔女”様が待っておられる!今だきぃ!」 

 銀の靴 :「仕っ方無いシュポー!!どおおおおおお!」 
               『グヮラキーン!!』 
空飛ぶ猿:「うぐを‥‥‥」 
 銀の靴 :「たとえ今は靴に身をやつしてもいても、「OZ」にその人ありと知られた 
      スチーム男爵をなめるんじゃないシュポ!」 
 スケア :「無事か?ドロシー!?」 
 その子 :「‥‥お猿さんがね、ボクが殺されるって‥‥」 
 スケア :「!?」 
 その子 :「スケア達がボクを殺すって。ねぇどういうこと!?スケア!?」 
 スケア :「‥‥チッ‥‥ば、ばかだなぁ、あいつらもお前を狙ってるんだぜ?手に入 
      れるためにはどんなウソもつくさ!」 
 その子 :「でも‥‥あんな必死で‥‥“封印持ち”でもないのに‥‥」 
 スケア :「‥‥スチーム!!走れ!!南だ!!」 
 銀の靴 :「‥‥?街は北西のはずシュポ?」 
 スケア :「いいから走れってんだよ!!いくぞ!ドロシー!!」 
 その子 :「あ、でも‥‥」 
 スケア :「あいつらに渡すわけにゃいかねーんだよ!!走れ!スチーム!!」 
 銀の靴 :「りょ、了解だシュポ!」


 
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