オ ズ
「OZ」における旧支配者はその支配力を失ったとはいえいまだに人心を捕らえて放
さなかった。しかし、100年前の戦いで受けた傷はあまりに大きく旧支配者は人目を避
けるように各々の神殿に引きこもったままとされる。一説には旧支配者はすでに亡く、
その魂のみが「OZ」をさまよっているとも言われる。100年の月日は彼らの存在すら
を伝説としていた。
その子:「‥‥‥‥冗談じゃないよ、おめおめと殺されてたまりますか。」
ドロシー
銀の靴:「とは言っても無茶だと思うシュポ。ただでさえ目立つ“異世界人”が一人でこ
の「OZ」で生きていくのはシュポ。」
コ
コ
その子:「だからーっ!ボクは「OZ」で生きていくつもりじゃないんだってば。元の
世界に帰りたいの!」
銀の靴:「よけい無理だシュポ。召喚士はほとんどOZ王におさえられているシュポ。」
その子:「OZ王ってのは今の支配者なんでしょ?」
銀の靴:「そうだシュポ。」
イーストウィッチ
その子:「ボクの前世とかいう“東の魔女”を命がけで封印したのは旧支配者なんだよ
ね?」
ウェストワイズマン ノースエレメンタルマスター サウスセントハイアー
銀の靴:「いわゆる“西の賢者”“北の精霊導士”“南の聖天王”だシュポ。まぁOZ王
にとっては目の上のタンコブみたいなもんだシュポ。」
その子:「連れてって。」
銀の靴:「シュポ!?」
その子:「その旧支配者のところ!」
銀の靴:「シュポシュポ!?」
ボク
その子:「旧支配者は“東の魔女”を復活させたくないんでしょ?きっと元の世界に帰
してくれるよ!」
銀の靴:「な、なんちゅうことを考えるんだシュポ〜!!」
その子:「いいから!」
ウェストワイズマン
銀の靴:「‥‥どうせ逆らえないシュポ‥‥‥(待てよシュポ“西の賢者”のところに行け
ば彼の名でくくられたワシの召喚も解けるかもしれんシュポ‥‥)よおぉぉし!
行くシュポ!!」
その子:「‥‥どしたの?いきなり気合い入っちゃて?‥‥」
銀の靴:「でもなぜ急にそんな気になったシュポ?」
その子:「‥‥‥‥あのね‥‥‥昨夜‥‥寝たふりしてリオンとスケアの話を聞いたん
だよ‥‥そしたら‥‥
リオン:「‥‥どうするつもり?」
スケア:「何を?」
リオン:「‥決まってるでしょ。‥‥その子のことだよ。」
スケア:「‥‥今さら‥‥!」
リオン:「‥‥‥他に‥方法はないの?」
その子:(‥‥‥‥?‥‥‥‥)
イーストウィッチ
スケア:「‥‥わかっているはずだぜ?転生した“東の魔女”の魂全てを集めなけれ
ば奴は復活しない。その子…ドロシーが転生者である以上、あいつの魂も
例外じゃない!」
その子:(‥‥‥‥!?‥‥‥‥)
リオン:「だからって‥‥だからって殺すことは‥‥‥」
その子:(‥‥‥‥!!‥‥‥‥)
スケア:「‥‥他に方法があるのかよ!?このクソったれの封印を解きたいのはてめぇ
だって同じだろ!?」
リオン:「シィッ!ばか‥‥起きるよ。」
スケア:「‥‥あたいは‥‥たとえ悪魔に魂を売ったって‥‥身体を取り戻してみせ
る‥‥。」
リオン:「‥‥‥でも‥‥いい娘だよ‥‥。とっても。」
イーストウィッチ
スケア:「‥‥‥‥‥“東の魔女”を復活させたくねぇのはあのボケOZ王だ。とり
あえずあいつからはドロシーを守んなきゃいけねぇ。」
リオン:「‥‥どうするの‥‥?」
スケア:「‥‥‥‥‥」
‥‥‥‥‥後はよく覚えてないんだけどね‥‥。‥‥お猿さんの言ったことが
正しかったみたい。」
ウェストワイズマン
銀の靴:「‥‥そうシュポか‥‥。じゃ、とりあえず、“西の賢者”のところに向かうと
するシュポ!」
…その頃
スケア:「‥‥‥‥‥‥なんだって?」
どろしー
ティン:「昨夜カラ“異世界人”ガといれニ行ッタママ戻ッテナイト言イマシタ。」
リオン:「荷物一揃えと‥‥スチームもいないよ。」
スケア:「‥‥に、に、逃・げ・ら・れ・た〜!?」
どろしー
ティン:「現在ノぱーてぃーカラ“銀ノ靴”及ビ“異世界人”ヲ除イタ場合ノ戦力だう
ん率62.74%、作戦成功確率34%ニだうんシマシタ。」
スケア:「あが‥‥あが‥‥あが‥‥‥う゛〜ん‥‥‥」
リオン:「わー!!スケアー!しっかりしてー!!」 |