オ ズ
100年前「OZ」において起こった大きな戦乱については、「OZ」に住む誰もが知っ
ている。しかし、その戦いの是非や理由については誰もが黙して語ろうとしない。記憶
にとどめられているのは100年前に大きな戦いがあったということ。そしてその結果、
イーストウィッチ
“東の魔女”が魂だけとなってもこの魔法世界「OZ」に復讐しようとしているという
ことだけである。なぜ“東の魔女”が戦い、破れ、何に復讐しようとしているかさえ誰
もが口にしない。100年前より生き延びている者たちすらそれを語ろうとはしないから
イースト ウィッチ
である。旧支配者も支配の座から降りた今となっては“東の魔女”の名だけが一人歩き
していた。
リオン:「‥‥どーすんのさー、スケア?」
スケア:「‥‥‥‥‥‥‥。」
リオン:「こんな森づたいにその子を追ったって追いつけるわけないじゃない。」
スケア:「‥‥‥‥‥‥‥。」
リオン:「向こうには『銀の靴』もいることだしさ。」
スケア:「‥‥‥‥‥‥‥。」
リオン:「おまけに森づたいだからだんだん方角がずれてるよ〜。」
スケア:「‥‥‥うるせぇな‥‥‥。」
リオン:「ねぇ、スケアってばー。」
スケア:「だーら、うるせぇっていってんだろ!!じゃ何か!?他にいい手があるって
フライングハヌマン
のか?あるなら教えてもらおーじゃねーか!いつ『空飛ぶ猿』が襲ってこない
ともかぎらねーのに魔法力はねー!召喚した奴には逃げられた!ええ?この状
況で他にどういう手があるんだよぉ!!」
リオン:「‥‥‥そ、そんなにおこんなくたって‥‥」
スケア:「何も考えてねーならしゃべるな!このタコ!!」
リオン:「‥‥‥ふぇぇぇ、スケアがいじめるぅ‥‥‥」
スケア:「うっとーしーぃ!泣くなー!!」
リオン:「‥‥‥ふぇぇぇ、スケアがおこるぅ‥‥‥」
スケア:「ぐぎぎぎぎ‥‥、こ、こいつはぁ‥‥!」
ティン:「!ッヅ‥‥キュイン キュイン キュイン キュイン キュイン ニュートロン=システム、割リ込ミ中‥‥‥‥‥
『リオーン!スケアー!ティーン!!助けてーーー!!!』」
スケア:「!?な、何だ!?」
リオン:「‥‥‥ぐすっ、ぐすっ、そ、その子の声だよ‥‥?」
ティン:『‥‥伝わったか?助けを求める声が。』
リオン:「‥‥‥ぐすっ、ど、どうしちゃったの?ティン!?」
スケア:「‥‥今はティンじゃねぇよ‥‥、こいつは‥‥。」
ウェストワイズマン
ティン:『その通り。我が名は西の賢者。』
リオン:「!??????」
スケア:「えらい大物がかかわってきたねぇ‥‥何のつもりだい!?」
ティン:『今の声が聞こえなかったのか?』
スケア:「‥‥‥何を企んでいるのかが聞きたいんだよ!」
リオン:「そ、その子が危険なんじゃないの?」
あんた
スケア:「んなこたぁわかってるよ!なんで西の賢者がそれを伝えるんだい?そこがわ
かんないんだよ!」
ティン:『まだ、過去に囚われているのか?』
スケア:「ふざけんじゃねぇよ!100年前の大戦で真っ先に逃げ出したのはあんたじゃ
イースト ウィッチ
ないか!!4支配者なんぞとぬかしやがって最後まで“東の魔女”と戦ったの
はあたいたちだったんだ!!おまけにこんな封印までかまされて‥‥!」
ティン:『真実を知る勇気があるか?』
スケア:「なに〜〜!!!まだトボけようって‥‥!」
リオン:「ま、待って!スケア、は、話を聞こうよ‥‥。」
スケア:「リオン!てめぇ‥‥!!」
リオン:「こ、コワいよ〜、スケア〜‥‥。」
ティン:「現在、圧倒的ニ不足シテイルノハ情報デス。私モ、話ヲ聞クベキダト思イマ
ス。」
システム
スケア:「ティ、ティン‥‥おめぇ心が、もどったのか?」
システム
ティン:「現在、‘にゅーとろん’ノばっくあっぷヲウケテイマス。心ノ一部ガ代行
サレテイマス。」
リオン:「ティン‥‥。」
ティン:『もう一度聞こう。真実を知る勇気があるかね?』
スケア:「‥‥‥‥‥‥聞こうじゃねぇか!その真実ってやつをよ!」 |