見たもの、体験したこと、それが全て真実を語るかどうかは、意外にわからない。例
えば、親が子供を躾けるときの毅然とした態度は子供にとってはただの畏怖の対象でし
かないかも知れない。子供が親になったとき初めてその愛情に気がつくのだ。同じよう
に、戦いの最中に起こった出来事全てを正確に把握出来ることも少ない。密命をおびて
行動すれば「卑怯者」のそしりを受けることもあるだろうし、英雄的行動で、結果的に
オ ズ
他者を救ったとしてもそれは命令違反以外の何物でも無い。100年前、「OZ」に起こっ
た戦いもそういうものであったのかもしれない。何もかもが混乱し、かつての支配者は
消え、人々は何を恨み、何を憎しみ、何に怒ればいいのかわからなかった。やがて、う
イースト ウィッチ
まれた“東の魔女”が呪いの言葉を吐いて封滅したという噂は驚愕と感嘆をもって人々
に受け入れられていった。人々はようやく「敵」を見つけたのである。
カップ・ド・ソーサー:「どいつもこいつも皆殺しなのさー!」
その子:「き、来てくれたんだね!」
リオン:「お・待・た・せ。」
銀の靴:「もっと早くに来いだシュポ。」
スケア:「おい!ティン!勝利確率46パーセントってのは低すぎやしないか?」
ティン:「‥‥現在マダどろしーニヨル封印ノ開封ガナサレテ‥‥‥。」
スケア:「!!わかった、わかった!」
ウェストワイズマン
リオン:「!そ、それに“西の賢者”も数に入っていないでしょ!?」
ウェストワイズマン
ティン:「“西の賢者”ヲ加エタ勝利確率ハ92ぱーせんと。」
カップ・ド・ソーサー:「ぐぬぬぬぬ、ナメやがっているのさー!」
スケア:「聞いたか!?早いとこケツまくって逃げ出した方がいいぜ!」
リオン:「スケア、下品‥‥。」
スケア:「やかましー!」
リオン:「すぐ怒るぅ‥‥‥グシュ。」
ドロシー
カップ・ド・ソーサー:「わたしが何にも知らないとでも思っているのさー?お前達は“異世界
人”がいないと並以下の“封印持ち”なのさー!」
ドロシー
スケア:「それがどーした!今は“異世界人”もすぐそばにいる!おめぇをぶち倒すの
には充分だ!!」
カップ・ド・ソーサー:「でもまだ封印の効力はあるみたいださー!」
スケア:「!!」
カップ・ド・ソーサー:「きっとある程度近付かないと、封印の効力をキャンセルできないんだ
さー!その気弱な獣人が何よりの証拠さー!」
スケア:「‥‥!おめーがそんなんだから弱点がバレちまってるじゃないか!」
リオン:「おこんないでよぉ‥‥グス。せっかくゴマかしたのにぃ‥‥。」
カップ・ド・ソーサー:「だったら話は簡単ださー!お前達を近づけなきゃいいのさー!!」
ポットマン
スケア:「そう簡単にいくかな?陶器人じゃ、その子はともかくあたいらを止められな
いぜ。」
カップ・ド・ソーサー:「‥‥この世の混沌と秩序を司る「OZ王」の名において我は命ずるの
さー!今こそ闇と憎悪の檻より出て我が命に従うのさー!来たれ!最強
の召喚魔獣!カリバ!!なのさー!!」
カリバ:「ぐぅぅわわわあああぅぉぉぉぉ!!」
リオン:「えー!?カ、カリバー!?」
スケア:「知ってるのか!?」
リオン:「いにしえの戦いであたしと同じ獣戦士がごっそりやられたよ。地上じゃ最強
の生き物かもしれない‥‥。」
スケア:「本当のお前でも無理なのか?」
リオン:「‥‥‥わからない、多分無理だよぉ!」
スケア:「もう一度聞く!本当のお前でも無理なのか!?」
リオン:「‥‥わからない、怖いよ、スケア!怖いよぉ!!」
スケア:「‥‥‥‥くっ!」
ティン:「敵戦力値上昇。勝利確率38ぱーせんとに低下‥‥。」
スケア:「その子!裁縫はできるか!?」
その子:「えぇ〜!?そりゃ、女の子だから、一通りは‥‥‥。」
スケア:「ならいい!心おきなく戦えるぜ!」
リオン:「ス、スケアー‥‥‥。」
スケア:「‥‥無理は言わねぇ。お前の出来る最高の事をしろ。‥‥生き延びるために
よ。」
リオン:「ス、スケア?」
ティン:「敵攻撃力増大!来マス!」
カリバ:「ぐぅぅうおわわわああああああぅぉぉぉぉ!!」
スケア:「‥‥天空に潜みしあまたの精霊よ、今こそ我が声に応えその威を指し示せ!
ファング オブ エア!
『空烈牙』!」
リオン:「!?そんな呪文使ったらたちまち!」その子:「ス、スケアー!!」
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