第16話 
←MENU NEXT→
カリバの顔さえすぐ変わる・・・
  勇気とはなんであろうか?自分の身を省みず誰かを助けようとすることだろうか?助 
けられなくても勇気ある行動は一つの評価を得るのだろうか?例えかなわない相手で 
も一矢報いるために命を懸けることは勇気なのだろうか?100年前の戦いで強大な敵に 
立ち向かい、そしてその力を奪われた“封印持ち”は必ずこの疑問を繰り返す。そして後 
悔と自責とで自らをよけいに委縮させる。その姿こそが「勇気」の無い姿だと気付かず 
に‥‥‥‥。封印など無くても、負けたという記憶は人々から「勇気」を奪うのには充 
分なのかも知れない。 

              ファング オブ エア 
リオン:「駄目だよ!スケア!『空烈牙』なんて強烈すぎ‥‥‥!」 
カリバ:「ぐぅぅわわわあああぅぉぉぉぉ!!」 
スケア:「うっ‥‥わああぁぁぁ!!」 
リオン:「スケアー!!」 
ティン:「かりばニハだめーじヲ与エラレテイマセン。かりばノ呪力増大‥‥!」 
その子:「あっ‥‥ああ!?ス、スケアの身体が!!!」 
スケア:「‥‥やっ‥‥ぱ、仮りの身体じゃもたねぇ‥‥か!」 
リオン:「スケア!早く呪文をやめてー!!」 
カリバ:「ぐぅぅわわわわわあああああああぅぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 
カップ・ド・ソーサー:「‥‥ばかな奴らなのさー!カリバにはどんな魔法攻撃も通用しないの 
       さー!なぜならカリバの毛皮は魔力をはねかえすからなのさー!確かに 
       真空や火炎なんかを媒介にした間接攻撃なら多少は効きもするが、そん 
       な魔法あのカカシがそう長く使えるわけないのさー!ほらもう糸がほつ 
       れてきているのさー!!」 
カリバ:「ぐぅぅわわわあああぅぉぉぉぉ!!」 
スケア:「あうぅうぅ‥‥あっ!あああぁぁ!!もぅ‥‥駄目だぁ!!」 
その子:「スケア?スケア!スケアー!!」 
ティン:「すけあノ戦闘値消失‥‥勝利確率17ぱーせんとニ低下‥‥。」 
リオン:「スケアーー!!」 
スケア:「‥‥‥うるっせいな‥‥生きてるよ‥‥‥その子‥‥ティンから針と糸、も 
    らっといてくれ‥‥。」 
その子:「!?まだ戦う気なの‥‥‥?」 
スケア:「あったり前だろ!こいつを倒さなきゃ‥‥あたいたちは‥‥。」 
リオン:「スケア‥‥、グスッ‥‥。」 
スケア:「‥‥泣いてねぇで少しは気合い入れろよ‥‥リオン‥‥。」 
リオン:「だって‥‥だって‥‥。」 
スケア:「‥‥その子のそばまで行けりゃまだ勝ち目はあるんじゃないか‥‥。」 
リオン:「でも‥‥カリバには‥‥‥‥勝てないよ‥‥グスッ‥‥。」 
スケア:「‥‥‥‥‥なら、せめて、その子だけでも‥‥‥‥助けなきゃな。」 
リオン:「‥‥ス、スケア‥‥。」 
スケア:「‥‥ティンの外装ひっぱがせば簡単な鎧になる。その子に着せてやんな。あ 
    とは『銀の靴』に走ってもらって戦線離脱だ。‥‥‥あたいがカリバの気をそ 
    らすから、リオンはその子のところに走んな‥‥。」 
リオン:「そ、そんなぁ‥‥それじゃスケアが‥‥。」 
スケア:「‥‥それしか方法がねぇだろうが‥‥早く行けよ‥‥‥。」 
リオン:「で、でも‥‥‥。」 
スケア:「でももへったくれもねぇよ。もう、どうにもならねぇよ。あたいにできるの 
    はここまでだ。‥‥‥あたいが死ねば召喚呪も解けてその子は自由になる。そ 
               ウェストワイズマン 
    したら“西の賢者”にでも頼んでもとの世界に帰してやってくれよ‥‥。頼む 
    ぜ‥‥。」 
リオン:「スケア!」 
カップ・ド・ソーサー:「こーひっひっひっひ!何をたくらもうと無駄なのさー!ここでみな殺 
       しなのさー!!やれ!カリバ!!」 
スケア:「‥‥行けぇ!行けったら!!」 
カリバ:「ぐぅぅわわわあああぅぉぉぉぉ!!」 
謎の声:『‥‥‥勇気とは何だ?‥‥‥』 
リオン:「‥‥!?‥‥誰!?」 
謎の声:『‥‥‥勇気とはいったい何なのだ?‥‥‥‥』 
リオン:「‥‥‥勇気‥‥‥?‥‥あたしには‥‥もう‥‥‥無いもの‥‥‥。」 
謎の声:『‥‥‥勇気とはそうたやすく失ってしまうものなのか?‥‥‥」 
リオン:「‥‥‥誰!?誰なの!?‥‥‥」


 
←MENU NEXT→