勇気とはなんであろうか?自分の身を省みず誰かを助けようとすることだろうか?助
けられなくても勇気ある行動は一つの評価を得るのだろうか?例えかなわない相手で
も一矢報いるために命を懸けることは勇気なのだろうか?100年前の戦いで強大な敵に
立ち向かい、そしてその力を奪われた“封印持ち”は必ずこの疑問を繰り返す。そして後
悔と自責とで自らをよけいに委縮させる。その姿こそが「勇気」の無い姿だと気付かず
に‥‥‥‥。封印など無くても、負けたという記憶は人々から「勇気」を奪うのには充
分なのかも知れない。
謎の声:『‥‥もう一度問う‥勇気とはいったい何だ?‥‥‥‥』
リオン:「そんなの、そんなのわかんないよ!」
謎の声:『‥‥お前の仲間が我が身を捨ててまで友を守ろうとしたのは‥‥勇気ではな
いのか?』
リオン:「‥‥‥スケア!?‥‥スケアは‥‥強いもの‥‥」
謎の声:『‥‥お前は弱いのか?』
リオン:「‥‥‥あたしは‥‥‥勇気を封じられてしまった‥‥もの‥‥‥」
スケア:「‥‥‥?‥‥リオン?誰と話して‥‥‥?」
テレパシー
ティン:「精神波動ヲ検出。精神感応ガ届イテイルモノト思ワレマス。」
テレパシー
スケア:「‥‥精神感応‥‥?」
謎の声:『勇気とは』
リオン:「‥‥‥誰?いったい誰なの!?」
謎の声:『勇気とは何者をも恐れぬ魂に宿るもの。‥‥‥お前は何を恐れている?』
リオン:「‥‥‥!?‥‥‥あたしが‥‥恐れて‥‥いる‥‥?」
謎の声:『何を失うのが怖いのだ?』
リオン:「‥‥‥!?‥‥‥あたしが‥失うのを‥恐れて‥‥いるもの‥‥?」
謎の声:『‥‥‥‥「弱さ」か‥‥‥?』
リオン:「!!」
謎の声:『‥‥‥強かった頃、お前はその強さゆえに孤独だった‥‥違うか?』
リオン:「!!‥‥‥そ、そんな‥‥!?」
謎の声:『封印は甘美な堕落をささやいた。「弱さを認めよ」と‥‥‥。違うか?』
リオン:「‥‥‥誰!?あなたは誰ーっ!?」
謎の声:『‥‥今も封印はお前を憶病にしている。失うことを恐れさせている。しかし
そうして逡巡しているうちにすべてを失うことになる。』
リオン:「‥‥‥!?‥‥‥すべてを‥失う‥‥?」
カリバ:「ぐぅぅわわわあああぅぉぉぉぉ!!」
スケア:「‥‥‥!!あの馬鹿!!何をぼけっとして!!」
ティン:「危険デス。すけあノ身体ノ耐久力ハ極端ニ低下シテイマス。ソノママノ状態
デノ魔法力ノ使用ハタイヘン危険デス。」
スケア:「黙ってろ!ここでやらなきゃあみんなやられちまうだろうがよ!!」
その子:「スケア!今そっちへ!」
カリバ:「ぐぅぅわわわわわああぅああぅぉぉぉぉ!!」
スケア:「来るなぁー!!その子!!」
リオン:「‥‥!!‥‥そっか、みんなが危ないんだ‥‥‥あたしったら何を‥‥。」
謎の声:『‥‥勇気とはどんな時にでも胸をはることのできる心だ。リオン、仲間を見
捨てて胸を自分自身に胸をはれるか!?』
リオン:「はれないよ!!大好きな仲間だもの!!」
謎の声:『‥‥‥‥‥‥‥‥‥』
リオン:「‥‥わかった、わかりました。あなたが誰なのかも、そしてあたしがやるべ
きことも。」
謎の声:『‥‥‥‥‥そうか‥‥‥』
リオン:「‥‥見ていて‥‥‥‥下さい!」
銀の靴:「スケアー!!ワシに向かって魔法力を放つシュポ!」
オメー
スケア:「‥‥そっか!銀の靴は抗魔法金属だから‥‥弾ける!」
銀の靴:「そうだシュポ!少なくともお前の身体は吹き飛ばんシュポ!」
リオン:「駄目だ!!」
スケア:「!?」
銀の靴:「!?」
リオン:「‥‥カリバの毛皮は魔法をはじく!その魔法力をあたしに!!」
銀の靴:「ど、どーしよーっていうんだシュポ!?」
カリバ:「ぐぅぅぅぅわわわわわああああああぅぉぅぉぉぉ!!」
リオン:「やかましい!!今ぶちのめしてやるからおとなしく待っていろ!!」
カップ・ド・ソーサー:「こーひーっ!?なんなのさー?いったいその態度なんなのさー!?」
スケア:「‥‥目が活きてやがる‥フフッ‥その子!頼むぜ!」
その子:「えーっ?あたしもなんかやるのー?」
銀の靴:「とりあえず魔法力の塊が来たら足を振り上げるだけで良いシュポ」
その子:「サッカーみたいだね、得意だったからいいけど。」
スケア:「いくぜぇ!!リオン!!」
リオン:「おおおおおぅ!!」
銀の靴:「‥‥‥‥今だ!シュポー!!」
その子:「ええーいっ!!」
リオン:「いくぞぉー!!カリバァ!!」 |