「OZ」において決して敗北は不名誉なことでは無い。弱肉強食の世界における“勝敗”が生命のやりとりであるように「OZ」においても敗北は限りなく「死」に近いからである。当然人々は持てる力の全てを尽くして生き延びようとする。“封印持ち”にとっての苦悩、それは自らの力を全て出しきることなく敗北すること、それにつきる。そして戦っても勝ち目がない、という負い目こそが、その存在そのものを不名誉なものにしていくのである。しかし敗北の痛みを知り、そのうえで立ち上がった者の強さを「OZ」の人々はなかなか気付けない。敗北してなおかつ立ち上がる者など「OZ」では相手にされなかったからである。少なくなくとも今までは‥‥‥‥。
リオン:「くらえぇぇぇ!!カリバァ!!」
カリバ:「ぐぅぅぅぅわわわわわああああああぅぉぅぉぉぉ!!」
カップ・ド・ソーサー:「こひーっ!?ば、馬鹿ーさー!!真っ正面から突っ込んでいって勝て
るの思ってるのかさー!!」
リオン:「勝つ!!絶対に!!」
カリバ:「うぎゅぐぅぅぅぅわわわわわぎゃぎゃああああああぅぉぅぉぉぉ!!」
ティン:「魔法力ノ減耗率5ぱーせんと以下。予測サレル衝撃ニ対スル該当生命体ノ耐
久値48ぽいんと。倒セル確率ハ50.8ぱーせんと。」
銀の靴:「なんと、それでは少しでも気合い負けしたら終わりだシュポ!?」
スケア:「勝つさ!必ず!!あいつの目は負けちゃいなかった!これで勝てねぇでどう
する!?」
その子:「リオン〜〜〜〜!!負けないで〜〜〜〜〜〜!!!」
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>>>>>>>>>>>>>>> 激突!! <<<<<<<<<<<<<<<<
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カップ・ド・ソーサー:「こ、こひーっ!?ま、まさかーーーー!!??」
カリバ:「うぎゅわわわわわぎゃぎゃああああああぉん!!」
カップ・ド・ソーサー:「カ、カリバが、カリバがやられたのさー!?しかも封印も解けていな
い“封印持ち”にさー!?‥‥てっ!てっっ!!‥‥撤退さー!」
ポットマン
陶瓶人:「イ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
スケア:「リオーン!!」
その子:「リオン〜〜!」
ティン:「‥‥‥りおんノ生体反応確認‥‥。りおんハ生キテイマス。」
スケア:「あ、当たり前だ!死んで‥‥死んでたまるかよぉ‥‥!!」
その子:「お願い!リオンのところへ!」
銀の靴:「がってんだシュポ!」
リオン:(‥‥ああ、みんなの声が聞こえる‥‥‥)
謎の声:『‥‥よくやった。リオン。』
ノースエレメンタルマスター
リオン:(‥‥‥ありがとうございます、「北の精霊王」様‥‥‥)
謎の声:『私は何も成してはいない。』
リオン:(‥‥でも一人じゃ‥‥勝てませんでした。)
北の精霊王:『では勝利に導いたのは何であった?友を守りたいというお前の気持ちで
はなかったか?』
リオン:(‥‥‥‥!!‥‥‥‥)
ノースエレメンタルマスター
北の精霊王:『つまりはそう言うことだ。リオン。自分の力にうぬぼれてはいけないが、
自分の力も見くびってもいけない。自分で自分の可能性を限定することが
最も愚かな行為なのだと覚えておくがいい。』
ノースエレメンタルマスター
リオン:(はい!やっぱり‥‥ありがとうございます、「北の精霊王」様!)
ノースエレメンタルマスター
北の精霊王:『ふふふ‥‥さらばだ。』
その子:「リオン!?リオンったら!起きて!大丈夫なんでしょ?目を開けてよ!!」
リオン:「‥‥ああ、その子‥‥無事だったかい?」
その子:「‥‥馬鹿!リオンこそこんなになっちゃって‥‥。」
リオン:「‥‥平気だよ、これくらいさ。」
スケア:「‥‥まったく、無茶しやがって!!」
リオン:「‥‥‥ヒトの事言えるの?そんな格好でさ。クスッ。」
スケア:「‥‥はははは、ちげぇねぇや、ははははははは。」
その子:「ははっ、馬鹿みたい二人とも、そんなぼろぼろなのに喜んじゃってさ‥‥は
ははは。」
リオン:「あははははははは、その通りだね、ははははははは。」
ティン:「封印ハ解除サレテイルノニ随分りおんハ優シイノネ‥‥‥ウフフッ、ソウイ
ウ私モカ‥‥‥ウフフフフ。」
サウスセントハイアー
南の聖天王:「(‥‥‥よろしかったのですか‥‥あの場にお送りすることもできまし
たのに‥‥‥。)」
ノースエレメンタルマスター
北の精霊王:「いや、いいんだ。この身体では逆に足手まといになりかねん。すまなか
ったな、聖天王よ。」
サウスセントハイアー
南の聖天王:「(あら‥‥‥クスッ、‥‥‥)」
ノースエレメンタルマスター
北の精霊王:「何が‥‥おかしい?」
サウスセントハイアー
南の聖天王:「(‥‥ふふっ、おかしくなんかないですわ。)」
ノースエレメンタルマスター
北の精霊王:「笑っているじゃないか。」
サウスセントハイアー
・・・・
南の聖天王:「(そうじゃなくて、‥‥‥自分の娘を心配することは決しておかしくな
んかないって言ってるんですわ。)」
ノースエレメンタルマスター
北の精霊王:「‥‥べ、別に心配だったわけでは‥‥‥‥‥。」
サウスセントハイアー
南の聖天王:「(くすくす、それがおかしいのですわ。)」
ノースエレメンタルマスター
北の精霊王:「‥‥そ、そうかな‥‥。」
サウスセントハイアー
南の聖天王:「(‥‥いい子になりましたわね。)」
ノースエレメンタルマスター
北の精霊王:「‥‥‥‥うむ‥‥‥。」 |