第18話 
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顔が・・・見えん・・・。
  「OZ」において決して敗北は不名誉なことでは無い。弱肉強食の世界における“勝敗”が生命のやりとりであるように「OZ」においても敗北は限りなく「死」に近いからである。当然人々は持てる力の全てを尽くして生き延びようとする。“封印持ち”にとっての苦悩、それは自らの力を全て出しきることなく敗北すること、それにつきる。そして戦っても勝ち目がない、という負い目こそが、その存在そのものを不名誉なものにしていくのである。しかし敗北の痛みを知り、そのうえで立ち上がった者の強さを「OZ」の人々はなかなか気付けない。敗北してなおかつ立ち上がる者など「OZ」では相手にされなかったからである。少なくなくとも今までは‥‥‥‥。 

リオン:「くらえぇぇぇ!!カリバァ!!」 
カリバ:「ぐぅぅぅぅわわわわわああああああぅぉぅぉぉぉ!!」 
カップ・ド・ソーサー:「こひーっ!?ば、馬鹿ーさー!!真っ正面から突っ込んでいって勝て 
       るの思ってるのかさー!!」 
リオン:「勝つ!!絶対に!!」 
カリバ:「うぎゅぐぅぅぅぅわわわわわぎゃぎゃああああああぅぉぅぉぉぉ!!」 
ティン:「魔法力ノ減耗率5ぱーせんと以下。予測サレル衝撃ニ対スル該当生命体ノ耐 
    久値48ぽいんと。倒セル確率ハ50.8ぱーせんと。」 
銀の靴:「なんと、それでは少しでも気合い負けしたら終わりだシュポ!?」 
スケア:「勝つさ!必ず!!あいつの目は負けちゃいなかった!これで勝てねぇでどう 
    する!?」 
その子:「リオン〜〜〜〜!!負けないで〜〜〜〜〜〜!!!」 

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>>>>>>>>>>>>>>> 激突!! <<<<<<<<<<<<<<<< 
                     /    \ 

カップ・ド・ソーサー:「こ、こひーっ!?ま、まさかーーーー!!??」 
カリバ:「うぎゅわわわわわぎゃぎゃああああああぉん!!」 
カップ・ド・ソーサー:「カ、カリバが、カリバがやられたのさー!?しかも封印も解けていな 
         い“封印持ち”にさー!?‥‥てっ!てっっ!!‥‥撤退さー!」 
ポットマン 
陶瓶人:「イ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」 

スケア:「リオーン!!」 
その子:「リオン〜〜!」 
ティン:「‥‥‥りおんノ生体反応確認‥‥。りおんハ生キテイマス。」 
スケア:「あ、当たり前だ!死んで‥‥死んでたまるかよぉ‥‥!!」 
その子:「お願い!リオンのところへ!」 
銀の靴:「がってんだシュポ!」 
 

リオン:(‥‥ああ、みんなの声が聞こえる‥‥‥) 
謎の声:『‥‥よくやった。リオン。』 
                          ノースエレメンタルマスター 
リオン:(‥‥‥ありがとうございます、「北の精霊王」様‥‥‥) 
謎の声:『私は何も成してはいない。』 
リオン:(‥‥でも一人じゃ‥‥勝てませんでした。) 
北の精霊王:『では勝利に導いたのは何であった?友を守りたいというお前の気持ちで
      はなかったか?』 
リオン:(‥‥‥‥!!‥‥‥‥) 
ノースエレメンタルマスター 
北の精霊王:『つまりはそう言うことだ。リオン。自分の力にうぬぼれてはいけないが、
      自分の力も見くびってもいけない。自分で自分の可能性を限定することが
      最も愚かな行為なのだと覚えておくがいい。』 
                                    ノースエレメンタルマスター 
リオン:(はい!やっぱり‥‥ありがとうございます、「北の精霊王」様!) 
ノースエレメンタルマスター 
北の精霊王:『ふふふ‥‥さらばだ。』 

その子:「リオン!?リオンったら!起きて!大丈夫なんでしょ?目を開けてよ!!」 
リオン:「‥‥ああ、その子‥‥無事だったかい?」 
その子:「‥‥馬鹿!リオンこそこんなになっちゃって‥‥。」 
リオン:「‥‥平気だよ、これくらいさ。」 
スケア:「‥‥まったく、無茶しやがって!!」 
リオン:「‥‥‥ヒトの事言えるの?そんな格好でさ。クスッ。」 
スケア:「‥‥はははは、ちげぇねぇや、ははははははは。」 
その子:「ははっ、馬鹿みたい二人とも、そんなぼろぼろなのに喜んじゃってさ‥‥は 
    ははは。」 
リオン:「あははははははは、その通りだね、ははははははは。」 
ティン:「封印ハ解除サレテイルノニ随分りおんハ優シイノネ‥‥‥ウフフッ、ソウイ 
    ウ私モカ‥‥‥ウフフフフ。」 
 

サウスセントハイアー 
南の聖天王:「(‥‥‥よろしかったのですか‥‥あの場にお送りすることもできまし
          たのに‥‥‥。)」 
ノースエレメンタルマスター 
北の精霊王:「いや、いいんだ。この身体では逆に足手まといになりかねん。すまなか                   ったな、聖天王よ。」 
サウスセントハイアー 
南の聖天王:「(あら‥‥‥クスッ、‥‥‥)」
ノースエレメンタルマスター 
北の精霊王:「何が‥‥おかしい?」 
サウスセントハイアー 
南の聖天王:「(‥‥ふふっ、おかしくなんかないですわ。)」 
ノースエレメンタルマスター 
北の精霊王:「笑っているじゃないか。」 
サウスセントハイアー                                ・・・・
南の聖天王:「(そうじゃなくて、‥‥‥自分の娘を心配することは決しておかしくな
        んかないって言ってるんですわ。)」 
ノースエレメンタルマスター 
北の精霊王:「‥‥べ、別に心配だったわけでは‥‥‥‥‥。」 
サウスセントハイアー 
南の聖天王:「(くすくす、それがおかしいのですわ。)」 
ノースエレメンタルマスター 
北の精霊王:「‥‥そ、そうかな‥‥。」 
サウスセントハイアー 
南の聖天王:「(‥‥いい子になりましたわね。)」 
ノースエレメンタルマスター 
北の精霊王:「‥‥‥‥うむ‥‥‥。


 
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