支配力が強さなのだとしたら、敵を失った瞬間に失われる。強大な敵をねじ伏せるような力は戦う相手を失えば決しておもてに出るようなものではないからだ。しかし、力は畏怖の対象となりいつしか支配者は、その威を強さ以外にも求めるようになる。他人をひれ伏させる力が強さとはほど遠い、醜悪なる欺瞞であることも忘れ、一時の快楽に酔い
エメラルドパレス
痴れるようになる。『緑宝宮』はそのようなものであった。天空にそびえるその威容はかつてのどの支配者の神殿より絢爛で豪奢なものであった。ただ、荘厳というにはほど遠くはあったが。
エメラルドパレス
−−−−−−−−−−−−−−−−『緑宝宮』−−−−−−−−−−−−−−−−
カップ・ド・ソーサー:「こ、こひーっ、と、というわけでカリバまでやられてしまいましたの
でさー‥‥‥。」
『OZ王』:『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。』
カップ・ド・ソーサー:「そ、それで、すぐさま報告を、と思いこうして駆けつけて来たのです
さー。」
『OZ王』:『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。』
エメラルドパレス
カップ・ド・ソーサー:「か、かくなるうえは『緑宝宮』の防備をかためないと勢いづいたヤツ
らが攻め込んでくるのは必至ですさー!!」
『OZ王』:『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥つまらんな‥‥‥‥。』
カップ・ド・ソーサー:「‥‥こっひー?なんとおっしゃいましたさー?」
『OZ王』:『つまらんと言ったのだ‥‥‥。』
カップ・ド・ソーサー:「‥‥そ、そーでさー、そりゃあ、『OZ王』からしてみれば、あんな
ヤツらなどつまんない相手でさー!」
『OZ王』:『‥‥‥‥‥‥お前のことだ‥‥‥‥。』
カップ・ド・ソーサー:「‥‥こ、こひー?‥‥そーれはまた、どーゆことで‥‥」
『OZ王』:『‥‥まともな戦力分析もできず、無駄な戦いを行ない相手を倒せなかっ
た‥‥‥。なぁ?つまらんだろう‥‥‥?』
カップ・ド・ソーサー:「‥‥そっ、それは‥‥‥!」
『OZ王』:『‥‥申し開きはいい‥‥‥。お前は用済みだ‥‥‥。』
カップ・ド・ソーサー:「こっこっこっこ、こひーーー!!??」
ジュエル・ポーン
『OZ王』:『‥‥“宝石兵士”よ、始末しておけ‥‥‥。』
ジュエル・ポーン
宝石兵士 :「オオセノ通リニ。」
カップ・ド・ソーサー:「ま、待っ、待ってくださひぃーーー!!『OZ王』!『OZ王』!!」
ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッ
カップ・ド・ソーサー:「こ、こひー!よるな!よっ寄るんじゃないのさーーーー!!」
ジュエル・ポーン
宝石兵士 :「『OZ王』ノ命令デス。アナタヲ始末シマス。」
カップ・ド・ソーサー:「こーひぃぃぃぃぃーーーーーーっ!!!」
『OZ王』:『‥‥さて、どうやら、始末すべきものはまだあるようだな‥‥‥。階下の方が
なにやら騒がしくなりそうだ‥‥‥。』
ジュエル・ポーン
宝石兵士 :「オオセノ通リニ。」
−−−−−−−−− ちゅどん!ちゅどん!!ちゅどーん!! −−−−−−−−−−
ジュエル・ポーン
宝石兵士 :「侵入者発見。侵入者発見。タダチニ排除行動ニウツリマス。」
スケア:「くっ!気付かれちまった!!」
その子:「当たり前でしょー!鍵が開かないからって魔法で吹き飛ばさなくてもいいじゃ
ないー!!」
スケア:「‥‥‥いいじゃねーか。」
ティン:「敵ノ反応ガ増加シテイマス。素早イ移動ガ必要デス。」
その子:「どーしてそう短気なのー!!」
スケア:「‥‥んなこと言ったってよぉ‥‥、いかん立場が逆転している‥‥」
ティン:「『OZ王』ノ現在地ハ特定デキマセンガ、階上ニ存在スル可能性87ぱーせん
と。」
その子:「こんな下の階で騒ぎ起こしちゃったら、リオンは‥‥‥。」
スケア:「‥‥‥‥わ、悪かったよ‥‥‥。」
ティン:「すけあノ精神状態ニ多大ナ変動ガ認メラレマス。妙ニ素直デスネ。」
スケア:「うっせぇよ!!」
ティン:「‥‥‥私ニハ素直ジャナイノデスネ。」
スケア:「‥‥‥‥‥くぅぅぅぅ、その子には身体縫ってもらって借りができちまった
しなぁ‥‥。」
その子:「急ごう!リオンも心配だし!!」
−−−−−−−−−−−−−− 別行動中のリオン −−−−−−−−−−−−−−
リオン:「あっちゃあ‥‥やっぱり駄目ね、スケアったら。これじゃ陽動にもなんにも
ならないじゃない。」
ジュエル・ポーン
宝石兵士 :「侵入者発見。侵入者発見。タダチニ排除行動ニウツリマス。」
リオン:「‥‥しょうがない!こっちはこっちで派手にやりますか!」 |