まだ見ぬ敵というものは恐怖の対象以外の何者でもない。しかしその強さとは一体何が証明しているのであろう。これまで屠ってきた敵の力であろうか?それとも乗り越えてきた屍の数であろうか?まだ見ぬ敵を恐れる心とは自身への不信でもある。自らの足りなさ、力の不足を誰よりも自分でわかっているからまだ見ぬ敵に怯えることとなる。その「弱さ」を乗り越えられぬ者は決して勝利をつかむことは出来ない。まだ見ぬ敵の「強さ」が自身の妄想であることも気付けぬまま。
ジュエル・ポーン
宝石兵士 :「侵入者発見。侵入者発見。タダチニ排除行動ニウツリマス。」
スケア:「おわぁ!見つかっちまった!!」
その子:「あたりまえでしょー!いちいち鍵吹き飛ばしてれば!!」
ティン:「強護もーどニしふとシマス。外殻解放。魔攻砲すたんばい。」
スケア:「ばか!そんなもんぶっぱなしたらその子までまきぞい喰らうだろうが!」
ケア・ドール
ティン:「装填サレテイル魔法ハ治療用ノ魔法ノミデス。私ハ看護人形デスシ。」
スケア:「‥‥‥どうするつもりだったんだよ!?」
ティン:「ソノ子ニ危害ガ及ンダ場合ノ措置デスガ。」
スケア:「‥‥‥仕方ねぇ、奥の手ってやつを出すか!カリバァ!頼むぜ!!」
カリバ:「ぐぅぅぅぅわわわわわああああああぅぉぅぉぉぉ!!」
ジュエル・ポーン
ケア・
宝石兵士 :「侵入者ノ戦力分析開始。魔法使イ・魔獣かりばヲ呪封シタまんと・看護
ドール ドロシー
ドロシー
人形・“異世界人”‥‥‥‥“異世界人”?」
その子:「きゃああ!なんでボクの方に来るんだよぉ!?」
スケア:「!!その子!!」
ジュエル・ポーン
ドロシー
宝石兵士 :「ほすとトりんく。でーたべーす検索。‥‥‥‥照合完了。“異世界人”
マスター
ヲ主人ト認メマス。」
その子:「‥‥‥‥‥!?」
スケア:「!!??」
ドロシー マスター
ティン:「“異世界人”ヲ主人ト認メルソウデス。」
スケア:「聞こえてるよ!!んなことはぁ!!‥‥‥何で‥‥‥何でそんなことに?」
ティン:「ほすと・こんとろーるトあくせすシタ結果トシテでーたノ照合ガ‥‥」
スケア:「だからそういうことを聞いてるんじゃねぇんだよ!!」
ドロシー
その子:「ボクが‥‥“異世界人”だから?」
スケア:「‥‥‥おかしい。もしそうなら‥‥」
ドロシー
ジュエル・ポーン
ティン:「OZ王モ“異世界人”トイウコトニナリマス。コノ宝石兵士ハOZ王直属ノ
ガード・マトン
護衛人形デスカラ。」
ドロシー
スケア:「‥‥そんな訳はねぇんだ!‥‥だってよぉ、仮にOZ王が“異世界人”だっ
たとしたら、わかっているはずだ!こうなることはよ!!それなのに‥‥何
何故わざわざ役立たずの人形をあたいらに差し向けなきゃならねぇんだ!?」
ティン:「ソノ論理ニ矛盾ハアリマセン。矛盾ハ現在ノ状況下ノ方ニアリマス。」
その子:「OZ王じゃないとしたら?」
スケア:「!?」
その子:「OZ王はいるんだよ!別に!!でもきっとこいつらを差し向けたのは別のや
つなんだよ!」
ティン:「ソノ推理ニモ矛盾ハアリマセン。」
スケア:「‥‥‥くっくっくっく。」
その子:「ど、どうしたの?スケア‥‥。」
ティン:「ソノ行動ニハ矛盾ガアリマス。」
エメラルド・パレス
スケア:「これが笑わずにいられるか!決死の思いで入ってくりゃあ緑宝宮を守る兵士
ドロシー
のほとんどが役に立たず、しかも“異世界人”狩りを命じていたOZ王自身
ドロシー
が“異世界人”だぁ?勝ちは見えたぜ!」
ティン:「急イデりおんト合流シマショウ。」
その子:「そ、そうだね。」
スケア:「その子と一緒なら兵士は敵じゃねぇからな‥‥‥急ごう!」 |